
炭酸飲料は骨を溶かす、という話を聞いたことがあると思います。そうやって子どもの頃に言われてきた、という人も多いでしょう。
確かに、炭酸は口に入るとシュワシュワとしていて、それがそのまま体内に入れば、骨を溶かしそうな印象があります。しかし、そんなことぐらいで骨が溶けるなんて…という思いもあります。
本当に骨を溶かすのか、それともそんな感じがするだけで、実際には影響がないのか。

「炭酸飲料を飲んで骨が溶ける」は嘘?
コーラやサイダー、ジンジャーエールといった飲み物には、炭酸やリン酸などの酸味料が配合されています。その点では、硫酸や塩酸と同じ酸性の液体だといえます。
酸性の液体には、骨を溶かす効果があります。ですので、たとえば炭酸の液体の中に、骨を一本ドボンと入れたとします。すると、やがてその骨は溶けていくわけです。これは、より酸性の強い液体であればあるほど、その効果が顕著になります。
ということは、炭酸飲料を飲むとやっぱり骨が溶けてしまうの?、と考える人も多いでしょう。しかし、それは間違いです。
炭酸飲料を飲んだからといって、その炭酸に骨が直接浸かるか、というとそんなことはないからです。口から入った炭酸は、食道を通って胃に辿り着くので、骨に接触することはないわけです。
さらに炭酸飲料の酸性度は低いものです。それこそ、通常のお酢が示す酸性よりも遥かに低くなっています。
お酢は酸性が高いので、小魚をお酢に浸けておくことによって、骨まで食べられる料理がよくあります。骨を溶かすことをそんなに気にするなら、炭酸飲料よりよっぽどお酢のほうを気をつけたほうが良いといえるでしょう。
しかし、お酢を通常の食事で摂取したところで、それによって骨が溶けてしまうなんてことはありません。
注意すべきは炭酸より糖分と添加物!

炭酸よりむしろ、ジュース全般に大量に入っている糖分(砂糖や人工甘味料)や添加物のほうが、よっぽど骨には良くありません。
炭酸を避けるべきだというのであれば、炭酸ではない他のジュースもまた避けるべきだといえます。たとえば、糖分は、代謝される際に乳酸を発生させます。すると身体が酸性に傾きます。
これを弱アルカリ性に戻すために、カルシウムが消費されるという反応が起こります。必然的に、骨に必要なカルシウムがどんどんなくなっていってしまうのです。
添加物もまた、骨に悪影響を及ぼします。たとえば「リン酸」です。リン酸は体内に入ると、カルシウムと結びついてリン酸カルシウムとなります。
こうなると、体内で吸収できないので、便になって出て行ってしまいます。大事なカルシウムが消費される原因となるのです。
炭酸飲料と骨の関係、まとめ
500mlのジュース一本に、角砂糖10個を超える糖分が含まれています。これだけの大量の糖分は、牛乳7本分のカルシウムを消費させるともいわれています。
さらに添加物も盛りだくさんで、成長ホルモンの分泌を妨げる原因にもなります。肥満を招いてしまう要因にもなりえます。
炭酸飲料を敬遠していれば、骨が溶けることもないし大丈夫、なんてことはないわけです。気にするのは炭酸か炭酸でないか、ということよりむしろ、ジュース全般になります。
糖分や添加物がたくさん含まれたジュースは、なるべく子どもに与えないようにするのが良いでしょう。
