しばしば、兄弟間での身長差が話題になることがあります。
兄弟で、もちろん同じ両親から生まれているのに、身長にかなりの差があるということも。両親や兄は高身長なのに、なぜか弟だけが低身長となっていたり。
世の中には、兄弟間で身長にかなりの差があるケースも実はかなり多いです。
身長と遺伝の関係
身長の伸びを考えるにあたって、よく議論に挙げられるのが、遺伝の問題です。
息子が背が高いのは、父親が背が高いからだ、など身長の高さ、あるいは低さを遺伝によって考えることが多くなされています。しかしながら、身長と遺伝の関係は、約25%だと一般的にいわれています。
それほど高いパーセンテージではないことが分かるでしょう。しかし、一卵性双生児であったとしても、同じ身長にならないことがあります。
兄弟間の身長差は遺伝より成長ホルモンが原因
身長を伸ばすためには、成長ホルモンが鍵を握っています。兄弟間で、この成長ホルモンの分泌量に差があるときに、身長差が生まれると考えられています。
つまり、身長は遺伝だけではなくて、むしろこの成長ホルモンによる影響を受けるケースのほうが多いというわけです。
成長ホルモンの分泌は、特に「睡眠、食事、運動」という3つの要素が深く関与しています。
睡眠と成長ホルモン
睡眠している間は、人間の1日の活動中で最も成長ホルモンが多く分泌されます。特に質の高い睡眠が、成長ホルモンの分泌に効果があります。
そのため、たとえば同じ兄弟でも、兄はしっかりと毎日22時には寝て、6時に起きる生活をしていたとします。逆に弟は、0時を過ぎてもゲームをしていつも寝るのは2時を過ぎてから。睡眠時間も短かったとしたら、やはり兄のほうが身長が伸びる可能性は高まります。
睡眠は、ただ横になって目を閉じているだけでは充分ではありません。いかに深い良質な睡眠が取れるのかが重要になってきます。
最近では、パソコンやスマホのブルーライトが、睡眠を浅くするということが指摘されています。寝る前の30分程度は、良質な睡眠を取るためにパソコンやスマホを使用しないのが望ましいわけです。
パソコンやスマホでゲームばかりしている弟だと、仮に今日は早めにベッドに入ろうとしても、兄に比べて睡眠が浅くなってしまうことも。こうなると、睡眠の質の差で、身長にも差が生まれる可能性があります。
運動と成長ホルモン
適度な運動も、成長ホルモンの分泌を促進します。特にバスケットボールやバレーボールといった、縦方向に刺激が加わりやすいスポーツだと、骨の成長に役立つと言われています。
たとえば、兄はバスケ部に所属して毎日運動をしているのに対して、弟は帰宅部で運動といえば体育の授業くらい、ということになってくると、やはり兄のほうが身長が伸びやすくなるでしょう。
しかしながら、運動はやれば良い、というものではありません。たとえば、ダンベルなどを使った無酸素運動を、成長期のときにあまり激しく行ってしまうと、逆に骨の成長を妨げるリスクがあります。あくまで、骨に適度な刺激が加わるような運動を適切に行うことが重要です。
食事と成長ホルモン
食事も成長ホルモンの分泌と密接な関係を持っています。食事から摂る栄養素のなかには、特に成長ホルモンの分泌を促す働きを持っているものもあります。
アミノ酸の一種であるアルギニンはそういった栄養素の1つです。適切な食事を摂ることができないと、どうしても身長の伸びに悪影響を及ぼしてしまいます。兄弟間でも、好き嫌いに差がある場合が存在します。
たとえば、兄はなんでも好き嫌いせずに食べるのに、弟は野菜が嫌い、牛乳が嫌い、と嫌いで食べられないものが多かったとします。そうなってくると、どうしても兄のほうが身長が伸びやすい条件が揃ってきます。
たんぱく質、カルシウム、ビタミンなどは、どれもまんべんなく摂ることが、背を伸ばすためには有効であるためです。
近年では、子供に不足しがちな栄養素や、成長を促すと言われている成分の入った「子供用サプリメント」が流行っています。
特にスポーツをしていて、身長がどうしても欲しいお子さんにおすすめです。