中学生は、小学生と比べると急激に背が伸びる時期。一年で10cm身長が伸びる子も決して少なくはありません。
近年の平均身長の推移を見てみると、中学生の生活習慣の変化が関係しているようです。今回は文部科学省が平成28年度(2016年度)に実施した「学校保健統計調査」の結果を元に、中学生の学年・男女別の平均身長を解説していきます。
中学生の平均身長「学年別の調査結果」
■中学校1年生(12歳)の平均身長
男子 152.7cm
女子 151.9cm
ほとんどの子どもが第二次成長期を迎える中学1年生。一般的に中学1年生までは、女子の方が身長・体重ともに大きい傾向にあります。心身ともに大きく成長する中学生の時期こそ、バランスのよい食事をたくさんとれるようにしましょう。
■中学校2年生(13歳)の平均身長
男子 159.9cm
女子 154.8cm
よく「声変わりのタイミングと、身長が伸びなくなる時期は同じ」と言われますが、直接的な関係はないようです。声帯の変化と骨(身長)の伸び、どちらも成長ホルモンの影響で変化した結果であり、変声期になったせいで成長が止まるというわけではありません。
変声期は、子どもの成長が完了するひとつの目安として考えておきましょう。
■中学校3年生(14歳)の平均身長
男子 165.2cm
女子 156.5cm
第二次成長期も終わりを迎える14歳の時期は、身長を伸ばすラストスパートと言えます。
一足早く成長期を迎える女子は、高校1年生との平均身長の差が157.1cmほど。身長の変化が落ち着いてくる子も少なくありません。反対に男子は高校1年で168.3cm、まだまだ伸びる可能性が十分あります。
中学生の子どもの成長に大切なこと
1901年以降、平均身長の推移はおよそ100年間で約19cmも向上しています。小学生の比較では約10cmなので、中学生がいかに成長著しい時期かがお分かりいただけるでしょう。
しかし「睡眠不足」「運動不足」「栄養価の偏り」といった理由から、2000年以降の平均身長の伸び率は滞っています。では、中学生の成長をどのようにサポートしていけばよいのでしょうか?
中学生の身長を伸ばす要素:適度な運動
中学生になると、部活などでスポーツに励む子と運動不足になってしまう子が両極化してしまう、という分析があります。
平成28年のスポーツ庁「全国体力調査」によると、「一週間の総運動時間が60分以下」と回答した中学生男子は6.7%、女子では20.9%という結果になりました。一方で、他の7割の中学生が週7時間以上の運動をしているため、中学生の運動量には極端な違いがあるようです。
中学生の身長を伸ばす要素:バランスの良い食事
成長期の身体には、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6大栄養素は欠かせません。特に中学生のカルシウム摂取目標量は、成人より多い800mgです。
また、ビタミンD群やマグネシウムは骨の成長を助ける栄養素です。大豆製品やほうれん草、小松菜、海藻なども食べるようにしましょう。
中学生の身長を伸ばす要素:質の高い睡眠
最近の中学生は、どれだけ寝ても眠いと感じる時があるようです。「健康づくりのための睡眠指針2014」によると、就寝後のスマホ利用が原因ではないかと考えられています。
中学生になると遠方の中学に通ったり、塾に行く子が多くなり、自由にスマホを使えるようになる子も多いです。就寝前のスマホ利用で睡眠不足に陥らないよう、使い方には十分気を付けましょう。
まとめ
中学生になると、部活や趣味など子どもがやりたいことも増えてくることでしょう。
しかし運動のし過ぎで身体を酷使しすぎてしまったり、スマホが睡眠を妨げてしまうケースも見られます。子どもの身長を伸ばせるこの時期を逃さないためにも、保護者が積極的に生活を支えてあげる必要があります。