子供の身長は遺伝?個人差?
低身長で悩んでいるのは子供より、実は親が悩んでいるケースが多いのです。
「うち子の背が低いのは親である私のせいかも知れない…」という悩みです。背が低い親の場合は特に「自分の遺伝が原因だ」と、気に病んでいることもしばしばです。
確かに、思春期早発や思春期にあまり背が伸びなかった場合、遺伝と考えられるケースはあります。しかし、対処方法が全く無かった訳ではありません。
親の身長に関係なく、子供が大きく育つ可能性は十分にあります。なぜなら、子供の身長に遺伝が影響する割合は2割~3割程度と言われているように、身長の高さを決める要因の8割は生活習慣にあるからです。
つまり、子供の成長に関しては「親からの遺伝」というよりは、「親の勉強不足・認識不足・生活習慣」が原因である場合が多いのです。
「子供の成長」について、きちんと理解している親御さんはほとんどいません。少なくとも、思春期までは「毎年5~6cm伸びる」ということは、最低限知っていて欲しい知識です。
身長が伸びない原因は幼少期にあった!
しかしながら日本では、子供の発育や人間の成長プロセスを正しく教育されることはなく、これまで「身長=個人差」というのが世間一般の考え方でした。
人によっては病気が原因で低身長になるケースもあります。しかし、病気が原因ではない場合、低身長になる要因で最も多いのは幼少時の低栄養です。
心的なストレスや睡眠が不十分だったなど、他にもいくつかの原因は考えられますが、4歳までに食べる量(栄養)が少なかったために平均身長より低くなっているケースが圧倒的原因です。
通常、4歳0ヶ月での身長は100cmが目安になります。親は子供にたくさん食べさせようと一生懸命になりますが、子供は食欲の範囲でしかご飯を食べようとしません。だからと言って、無理やり食べさせるのは難しい。ここに平均身長を下回ってしまう原因が潜んでいるのです。
身長の「伸び率」を高める
通常、4歳からの5~8年は毎年5~6cmずつ身長が伸びていきます。よく食べる子は6~7cm伸びて行きますが、食の細い子は4~5cmしか伸びません。
この年代の身長の伸びを軽視しないでください。この時期は「イジメ」「ペットとの別れ」「両親の不仲」など、心のストレスが原因で、身長の伸びが悪くなることがあります。
この時期に身長を伸ばすためには「たくさん食べること」が重要です。幼少期の身長の伸び率は食べる量に比例すると言っても過言ではありません。
食が細く、栄養を十分に摂れない場合は、サプリメントなどで効率的な栄養摂取を考えるのもひとつの手段です。但し、手軽に栄養を補えるサプリメントを利用する場合、子供の成長にとって「逆効果」となってしまうケースもあります。
それがサプリメントに配合されている人工甘味料や砂糖のなどの甘味料、着色料や香料・保存料などの人工添加物などのキケンな物質の存在です。成長を阻害する人工甘味料でも述べましたが、人工甘味料や砂糖が身体の成長や脳の発達を阻害する危険因子であることに、世界中の専門機関が警鐘を鳴らしています。
できれば、子供の栄養補助にサプリメントを選ぶ際には、水や牛乳に溶かす粉末タイプ(ジュースタイプ)は避けることです。粉末タイプのサプリメントは栄養素だけでは不味すぎて大人でも飲むことができないため、成分の半分もしくはそれ以上に砂糖や甘味料を使っています。
内容成分の半分以上が安価でコストを削減できる砂糖や味付けのサプリメントにどれほどの効果を期待できるのか疑問も残りますし、本当に子供の健康や成長を考えるのであれば、粒タイプのサプリメントがおすすめです。
打錠して栄養素を固めている粒タイプ(グミタイプやタブレットタイプではない)であれば、人工甘味料や無駄な添加物がほとんど入っていないので安心です。サプリメント選びの大原則として、原材料はしっかりチェックしてからサプリメントを選びましょう。
いずれにせよ、身長の伸び率を高めるということは「しっかりと必要な栄養を補給する」ということです。子供の食事量や栄養バランスをチェックしながら、足りないものはしっかり補給しましょう。
思春期への準備と対応
一般に、思春期が1年早まれば5cmの身長ロス。2年早まれば10cmの身長ロスと言われます。
思春期がはじまる目安としては、男子11歳前後、女子10歳前後といわれ、人間の成長の中で、思春期が一番身長の伸びる時期ですから、この時期に効率良く身長を伸ばすことが重要です。
思春期が始まってからの2年間は身長がよく伸び、平均すると男子で年間8~10cm、女子で年間7~9cmは伸びるでしょう。この時期は、ちょっとした栄養管理法や栄養摂取の工夫によって「年間8cm~10cmの伸びを10cm以上に伸ばす」といった可能が広がるのです。
ここでご注意頂きたいのが、この2年間は子供の身長がよく伸びているので「このままずっと伸び続ける」と思いこまないことです。思春期には限りがあり、身長が良く伸びる時期はたったの2年間しかありません。
通常、この2年間を過ぎると、身長の伸びは緩やかになり、やがて身長の伸びが止まります。思春期からの2年間は、子供の身長を伸ばしてあげるラストスパート(仕上げ)に入る、とても大事な時期なのです。
平均身長との比較
今現在、子供の身長は同年代の平均身長と比べて高いのか、低いのか?
下記に5才から17才までの平均身長を男女別に一覧表にしてあります。もし、該当年齢の平均身長と比べて-2SD以下だった場合、低身長症も疑われますので、専門医にご相談されることをおすすめします。
男子の平均身長
年齢 | 平均身長(cm) | -2SD |
---|---|---|
5才 | 110.7 | 101.1 |
6才 | 116.7 | 106.9 |
7才 | 122.5 | 112.3 |
8才 | 128.2 | 117.5 |
9才 | 133.5 | 122.1 |
10才 | 138.5 | 126.7 |
11才 | 145.0 | 130.8 |
12才 | 152.4 | 136.4 |
13才 | 159.7 | 144.3 |
14才 | 165.1 | 151.7 |
15才 | 168.2 | 156.3 |
16才 | 169.9 | 158.3 |
17才 | 170.7 | 159.1 |
女子の平均身長
年齢 | 平均身長(cm) | -2SD |
---|---|---|
5才 | 109.8 | 100.5 |
6才 | 115.8 | 106.1 |
7才 | 121.7 | 111.4 |
8才 | 127.4 | 116.4 |
9才 | 133.5 | 121.2 |
10才 | 140.2 | 126.5 |
11才 | 146.8 | 133.6 |
12才 | 151.9 | 139.9 |
13才 | 155.0 | 144.2 |
14才 | 156.5 | 145.9 |
15才 | 157.1 | 146.5 |
16才 | 157.7 | 147.0 |
17才 | 158.0 | 147.2 |
※SD(標準値差)はデータのばらつきを示す値ですが、-2SDを下回ると、成長ホルモンの分泌などに異常がある場合がございますので、一度小児科にて診察して頂くことをおすすめします。
現在の身長が平均または平均以上であっても安心はできません。子供の身長の7割~8割は「日々の生活習慣」で大きく変わってきますから、日頃から規則正しい生活のリズムを崩さず、成長期が終わるまで子供の成長をしっかりサポートしてあげてください。