子供が成長し、身長を伸ばす上で欠かせないのは、成長ホルモンの分泌です。
成長ホルモンの働きによって、身体の中で骨や筋肉が作られることで身長が伸びて行きます。
その成長ホルモンが最も分泌されるのは、『ノンレム睡眠』という深い眠りの時間帯。浅い眠りでは成長ホルモンの分泌が十分ではありませんから、睡眠の質を上げて、成長ホルモンの分泌を高める事が重要です。
ぐっすり眠って身長をぐんぐん伸ばせるように、上手に睡眠の質を高めて行きましょう。
安眠導入に役立つアロマセラピー
ぐっすり眠るためには、どのような事を実践すれば良いのでしょうか。
枕や寝具を変えたり入浴時間を調整したりと、いくつか安眠のコツはありますが、アロマセラピーと呼ばれる「芳香療法」で睡眠の質を高めることができるのをご存じでしたか?
アロマセラピーとはヨーロッパ発祥の自然療法で、芳香植物より抽出した香りのエッセンス、「精油(アロマオイル)を使って病気を治す技術」と定義されています。
精油に含まれる芳香成分は鼻から脳に伝わり、自律神経系、内分泌系、免疫系に働きかけます。この芳香成分が神経系を鎮静させる「セロトニン」の分泌を促すことで、心身をリラックスさせることができます。
さらに、脳内で睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」を分泌させるので、睡眠のお手伝いに適しているというわけです。ただし、全ての精油(アロマオイル)の芳香成分に安眠作用があるわけではありません。
逆に睡眠を妨げる興奮性の芳香成分もあるので、精油に含まれるそれぞれの芳香成分の働きを見極めて、目的に合わせて精油を選ぶ必要があります。
安眠には主要成分に鎮静作用がある精油(アロマオイル)をチョイス
では、どのような成分を多く含む精油(アロマオイル)が「睡眠」に適しているのでしょうか?
精油を選ぶ際に参考になるよう、精油別に安眠に関係する作用をまとめてみました。
精油 | 安眠成分(数字の%は効果を得られる成分割合) | 睡眠作用 |
---|---|---|
真正ラベンダー | 酢酸リナリル35% リナロール31% | 中枢神経抑制、鎮静作用 |
ローマンカモミール | アンジェリカ酸イソブチル35% | 中枢神経抑制、鎮静作用 |
クラリセージ | 酢酸リナリル70%(スクラレオール:女性ホルモン様作用含有の為、妊産婦 乳腺炎 乳がん 子宮内膜症の患者は注意) | 中枢神経抑制、鎮静作用 |
ネロリ | リナロール36% | 中枢神経抑制、鎮静作用 |
イランイラン | ゲルマクレンD15% 酢酸ベンジル5% | 鎮静作用、鎮静、安眠、弛緩作用 |
サンダルウッド | α,β-サンタロール66% | 鎮静作用 |
プチグレン | リナロール36% | 中枢神経抑制、鎮静作用 |
ローズウッド | リナロール88% | 中枢神経抑制、鎮静作用 |
スペアミント | ℓ-カルボン67% | 中枢神経抑制、鎮静作用 |
ローズ | シトロネロール39% | 鎮静作用 |
ジャスミン | 酢酸ベンジル37% | 鎮静、安眠、弛緩作用 |
バレリアン | 酢酸ボルニル37% イソバレリアン酸ボルニル5% | 鎮静、安眠、弛緩、中枢神経抑制作用 |
ベルガモット | 酢酸リナリル28% リモネン30% | 中枢神経抑制、鎮静作用 |
例えば、真正ラベンダーで鎮静作用を期待するなら、酢酸リナリルが35%以上含有されているものを選ぶようにしましょう。他の安眠成分でも、成分のとなりにある数字の%が配合されている精油(アロマオイル)が効果的です。
精油(アロマオイル)のおすすめブランド
香りは一緒でも、精油メーカーやブランドによって成分の含有量は変わってくるので、精油ブランドをいくつかご紹介します。
医師が精油(アロマオイル)を処方するフランスやベルギーでは、薬品と同じように厳しい品質基準が設けられています。また、医療の代替療法としてのメディカルアロマでは、フランスのメーカーであるサノフロール、プラナロムが推奨されています。私個人的にはフィネッサンスというブランドがおススメです。
このフィネッサンスというブランドは、約40年前にプラナロムを立ち上げた研究パイオニアであるDr.ロドルフ・バルツが2003年に立ち上げた新ブランドで、香りも濃厚、成分分析も開示しているので安心です。
効果を決定づけるのは使用する精油(アロマオイル)の品質にかかっていますから、信頼のおけるブランドの製品を使った方が良いでしょう。
精油は「香らせるだけの芳香浴」
芳香浴や吸入は呼吸器から精油を吸収する方法で、眠る前に寝室に香らせるだけなので、副作用もなく簡単に実践できます。
どんな香りがいいか迷ったら、子供に好きな香りを選んでもらうといいかもしれませんね。
私は、精油を水で薄めずに原液のまま拡散させるディフューザーを愛用しています。精油(アロマオイル)が原液のまま拡散するので、より濃厚な香りを楽しむことができます。
それでは、手軽に芳香浴を楽しむ方法をいくつかご紹介します。
芳香浴を手軽に楽しむ方法
1.香拡散器「ディフュザー」を使う
2.ルームフレッシュナーを作る
3.お湯をいれたカップに精油(アロマオイル)を落とす
4.ハンカチやティッシュに精油(アロマオイル)を落とす
※キャンドル式アロマポッドや電球式アロマランプは、熱で精油の成分が変化したり、熱くなるので注意が必要。
※ミスト式ディフューザーはタンクの水を放置しておくと雑菌が発生してしまうので、特に夏は注意が必要。
成分による作用も重要ですが、香りを楽しむことそのものが癒しやリラックス効果に繋がります。
「心地よい♪」と感じる香りや方法を探してみてください。睡眠の質を高めることで、成長ホルモンの分泌や疲労回復も促進されるはずです。
子供たちがぐんぐん身長を伸ばせるように、睡眠環境を整えて睡眠の質を上げてあげましょう。
今日は睡眠時に成長ホルモンの分泌を高めるための「安眠アロマ」をご紹介しますね♪